「潮の音、空の青、海の詩」熊谷達也著

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 仙台で予備校の講師をしていた川島聡太は、実家のある仙河海市が津波に襲われたことを知った。両親は行方不明で死体も見つからなかった。

 2060年、仙河海市は巨大な防潮堤で海と隔てられていた。防潮堤の階段の上り口は鉄のゲートでふさがれて許可を受けた者しか上れず、9歳の呼人は3年生になるまで海を見たことがなかった。ある日、呼人は防潮堤の上で絵を描いている男と出会う。

 それは年老いた聡太だった。聡太は呼人を自宅に連れていって、パソコンでかつての遠洋マグロ船の出航風景を見せた。彼は呼人にある夢を託そうとしていたのだ。

 3部構成で紡ぎだす、東日本大震災後の物語。(NHK出版 1900円+税)

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