「偶然完全 勝新太郎伝」田崎健太著

公開日: 更新日:

 最後の「弟子」が、日本映画界にその名を残す名優の在りし日の素顔と生涯をつづった評伝。

 ある日、勝は、毎日のように彼の事務所に出入りしていた駆け出しの編集者だった著者を、自ら運転するリムジンの後部座席に乗せホテルに乗りつけたという。人が自然にする表情の方が芝居の勉強になると言っていた勝は、勝を運転手に使う人物の顔をのぞき込むベルボーイの表情が見たかったとその理由を語ったそうだ。

 そんな氏の幼少期や大映入社後の下積み時代から、永眠するまでの65年の濃密な人生を活写。大スターとしての輝きから、プロダクション倒産や大麻事件などのスキャンダルの真相まで、「勝新」を演じきったその生きざまに迫る。(講談社 890円+税)




【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった