「偶然完全 勝新太郎伝」田崎健太著

公開日: 更新日:

 最後の「弟子」が、日本映画界にその名を残す名優の在りし日の素顔と生涯をつづった評伝。

 ある日、勝は、毎日のように彼の事務所に出入りしていた駆け出しの編集者だった著者を、自ら運転するリムジンの後部座席に乗せホテルに乗りつけたという。人が自然にする表情の方が芝居の勉強になると言っていた勝は、勝を運転手に使う人物の顔をのぞき込むベルボーイの表情が見たかったとその理由を語ったそうだ。

 そんな氏の幼少期や大映入社後の下積み時代から、永眠するまでの65年の濃密な人生を活写。大スターとしての輝きから、プロダクション倒産や大麻事件などのスキャンダルの真相まで、「勝新」を演じきったその生きざまに迫る。(講談社 890円+税)




【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る