「戦略がすべて」瀧本哲史著

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 ビジネス書大賞を受賞した「僕は君たちに武器を配りたい」の著者が、資本主義社会で勝ち残るための24の必勝パターンを伝授している。

 例えば、AKB48はなぜ成功したのか。それは、「人」を売るビジネスにつきものの問題点、すなわち、売れる保証がない、稼働率に限界がある、飽きられるといったリスクを排除するシステムをつくり上げ、持続性を獲得したことにある。ヒットコンテンツには「仕掛け」があるのだ。

 五輪招致、ネットビジネス、東京大学、英語入試、地方創生、選挙戦……。著者は身近な問題を縦横無尽に論じながら、戦略思考とは何かを説く。

 これからの時代、一応のスキルがあっても、真面目で勤勉でも、高収入は望めない。「儲ける仕組み」を手に入れた者が勝つ。あるいは、コンピューターにできない仕事をしなければ淘汰されてしまう。労働市場でバカは勝ち残れない。

 これは他人事ではない。「ほとんどの日本のビジネスマンは高級作業員に過ぎない」と著者は言う。作業員を脱して意思決定者になるには戦略が不可欠。そう考える人にとって、この本はまたとない思考のトレーニングブックになるだろう。(新潮社 780円+税)





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