「ガラパゴス」(上・下) 相場英雄著

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 警視庁捜査1課継続捜査担当の田川信一は、ある日、身元不明者のリストの中に不自然な写真を発見する。それは、練炭自殺として処理された青年の死体。

 その男の口元には青酸カリによって死亡したことを示す鮮やかな紅色が現れていた。捜査を始めた田川は、現場となった老朽化した団地の風呂場で、「新城」という文字と6ケタの数字が書かれた紙切れを拾う。

 紙切れを手がかりに不可能かと思われた被害者の身元を突き止めた田川は、被害者が非正規雇用の派遣労働者として各地で働いていたことを知る。彼はなぜ殺されなければならなかったのか、その真相を探るうちに、田川は思いがけず日本社会のおぞましい労働現場と世界から取り残された国内産業の惨憺たる現実に直面する……。

 本書は、28万部超えのヒットとなった「震える牛」の続編。「震える牛」にも登場した窓際刑事の田川警部補が、地道な捜査で事件の真相を追いながら、日本独自の進化を遂げたハイブリッドカーや液晶テレビなどの業界の袋小路ぶりや、人材派遣会社の欺瞞に気づく。

 ガラパゴス化した今の日本社会をあぶりだす問題作だ。(小学館 上・1400円+税 下・1500円+税)





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