「定本 山村を歩く」岡田喜秋著

公開日: 更新日:

 1970年代に日本の山村を訪ね歩いた名紀行の復刻。

 日曜日、ふと山路を踏みたくなり、秩父に向かう。バスの終点、名郷で降りて歩き出し、急坂を上り鳥首峠に出て、持参したコッヘルで紅茶を沸かす。浦山の頂の近くの武士平に、このあたりには珍しい桃源郷のような山上集落があることを思い出し、立ち寄ることに。武士平には登山者をわが子のように迎え入れる老夫婦がいると耳にしたことがある。到着した山上の一軒、庭先に座っていたのがその人、浅見伊吉氏だった。(秩父の隠れ里へ)

 その他、紀行文を書く原点となった鳴子温泉近くの中山平に住むこけし作家の家を27年ぶりに訪ねるなど、各地の山村を巡りながら人や風景との出会いをつづった32編を収録。(山と溪谷社 950円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方