「わが槍を捧ぐ」鈴木英治著
美濃・稲葉山城下で人捜しをしていた才蔵は、目当ての石榑という男が城内にいると聞く。国主・斎藤龍興の家臣・源左衛門に気に入られ、城内に潜り込んだ才蔵は、石榑が龍興と人払いして密談を交わしていたと知る。石榑は、才蔵の故郷の愛宕神社に伝わる秘宝「真歌音」を盗み出した男だった。真歌音は人魚の骨でできた小太刀で、身につけたものは不老不死を約束されるという。宮司の娘で幼馴染みの早奈美から真歌音を取り戻すよう頼まれた才蔵は、源左衛門に頼み、龍興と面会の機会を得る。しかし、織田軍が突然、攻め入り、真歌音の行方を聞き出すことができなかった。
明智光秀や福島正則に仕えた槍の名手の人生を描いた歴史小説。(角川春樹事務所 720円+税)