「ドローン・スクランブル」未須本有生著
ドローンを扱うベンチャー「リモートテック」に、防衛省向けの無人飛行機を扱う基山製作所の緒方が訪れた。ドローンを購入して性能や特性を検証したいという。リモートテックの在原はドローンの兵器としての可能性に気づいて直接防衛省への売り込みをはかり、担当者に提案書を渡す。
その後、なんの反応もなく、あきらめかけていた時、緒方が、防衛省のドローンの研究を担当することになったと告げた。試験内容の概要を確認した在原は愕然とする。その内容は在原が防衛装備庁に提出したものと酷似していた。防衛省、大企業、ベンチャー三つ巴の、ドローン開発をめぐる熾烈な戦いを描くエンターテインメント。(文藝春秋 1550円+税)