「メビウス1974」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 42年ぶりにかかってきた吉塚佐知子からの電話で、下山英二は上京して旧友の村木と再会した。3人は学生運動の活動家だったが、彼らの属するセクトが企業爆破事件を起こしたとき、その被害に怯えた下山は誰にも告げずに失踪した。そのため彼らの活動は崩壊したのだった。

 村木に指定されたバーに向かう途中、立ち寄った書店で、下山は当時の恋人だった伊崎久美子の名が文芸誌の表紙に載っているのを見る。さらに彼を追っていた元公安の刑事、安永に声をかけられる。何かが自分を過去に引き戻そうとしている。これらは偶然の出来事なのか? 

 過去の決算を迫られる男を描くエンターテインメント。(河出書房新社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞