「メビウス1974」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 42年ぶりにかかってきた吉塚佐知子からの電話で、下山英二は上京して旧友の村木と再会した。3人は学生運動の活動家だったが、彼らの属するセクトが企業爆破事件を起こしたとき、その被害に怯えた下山は誰にも告げずに失踪した。そのため彼らの活動は崩壊したのだった。

 村木に指定されたバーに向かう途中、立ち寄った書店で、下山は当時の恋人だった伊崎久美子の名が文芸誌の表紙に載っているのを見る。さらに彼を追っていた元公安の刑事、安永に声をかけられる。何かが自分を過去に引き戻そうとしている。これらは偶然の出来事なのか? 

 過去の決算を迫られる男を描くエンターテインメント。(河出書房新社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした