「新装版 カルナヴァル戦記」船戸与一著

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 リオデジャネイロ、「9月7日通り」沿いのホテルの7階の部屋で、アンヘラを抱き終えた「おれ」は、ライフルの準備を始める。標的は、やがて眼下を通るカルナヴァル(謝肉祭)のパレードの山車に乗っているはずだ。9カ月前、同じ組織で共に暗殺を請け負っていた男が幹部を殺し逃亡。始末を命じられたおれは2カ月前ようやく、男が逃げ込んだファベーラ(スラム)を突き止め、彼の元恋人のアンヘラに接近したのだ。金と引き換えに男の命を売ったアンヘラは、自分を裏切った男の顔が吹き飛ばされるのを見たいと部屋にとどまる。やがて男を乗せた山車がホテルに近づいてきた。(表題作)

 ブラジルで生きる日本人根なし草を主人公にしたハードボイルド短編集。(講談社 780円+税)

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