「新装版 カルナヴァル戦記」船戸与一著

公開日: 更新日:

 リオデジャネイロ、「9月7日通り」沿いのホテルの7階の部屋で、アンヘラを抱き終えた「おれ」は、ライフルの準備を始める。標的は、やがて眼下を通るカルナヴァル(謝肉祭)のパレードの山車に乗っているはずだ。9カ月前、同じ組織で共に暗殺を請け負っていた男が幹部を殺し逃亡。始末を命じられたおれは2カ月前ようやく、男が逃げ込んだファベーラ(スラム)を突き止め、彼の元恋人のアンヘラに接近したのだ。金と引き換えに男の命を売ったアンヘラは、自分を裏切った男の顔が吹き飛ばされるのを見たいと部屋にとどまる。やがて男を乗せた山車がホテルに近づいてきた。(表題作)

 ブラジルで生きる日本人根なし草を主人公にしたハードボイルド短編集。(講談社 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ