「まいない節 献残屋佐吉御用帖」山本一力著

公開日: 更新日:

 嘉永6(1853)年4月、公儀幕臣屋敷や大名諸家を回り、余った進物を安値で買い取る献残屋の手代・佐吉は、取引先のうどん屋の主人・政三郎に呼び出され、ある噂を教えられる。政三郎によると、佐吉の大事な得意先で代々、浦賀奉行庶務頭を務める宅間が模様替えになるとのことだった。そんな矢先、佐吉は寺田屋を逐電した与助と再会する。与助は知らずに抜け荷(密貿易)の元締の太田屋に売り込みに飛び込み、弱みを握られ、命まで狙われているという。調べると、太田屋が宅間とつながっていることが分かってくる。

 肝の据わった佐吉が、知恵を絞って不逞のやからに立ち向かう姿を描いた痛快人情時代小説。(PHP研究所 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較