「まいない節 献残屋佐吉御用帖」山本一力著

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 嘉永6(1853)年4月、公儀幕臣屋敷や大名諸家を回り、余った進物を安値で買い取る献残屋の手代・佐吉は、取引先のうどん屋の主人・政三郎に呼び出され、ある噂を教えられる。政三郎によると、佐吉の大事な得意先で代々、浦賀奉行庶務頭を務める宅間が模様替えになるとのことだった。そんな矢先、佐吉は寺田屋を逐電した与助と再会する。与助は知らずに抜け荷(密貿易)の元締の太田屋に売り込みに飛び込み、弱みを握られ、命まで狙われているという。調べると、太田屋が宅間とつながっていることが分かってくる。

 肝の据わった佐吉が、知恵を絞って不逞のやからに立ち向かう姿を描いた痛快人情時代小説。(PHP研究所 920円+税)

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