「ヴェネツィアの仮面カーニヴァル」勝又洋子著

公開日: 更新日:

 ベネチアの仮面カーニバルはサン・マルコ広場を中心に繰り広げられるが、ピアッツァの古代ギリシャ・ローマ風の柱が立つ回廊に囲まれた、祝祭空間となっている。

 この空間からは庶民の住居を締め出して世俗的な生活感を遮断し、海上には飾り立てた船が並んで劇的な風景をつくりだす。

 カーニバルの期間だけでなく、人々は一年中、仮面を着用することができたのだが、13世紀に悪魔の仮装をして恋人の家に卵を投げつける遊びがはやったため、夜、仮面をかぶって歩くことが禁止された時代もあった。

 その起源から歴史、意外なエピソードなども紹介した、べネチアの仮面カーニバルに詳しくなれる一冊。(社会評論社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗