「死刑の基準『永山裁判』が遺したもの」 堀川惠子著

公開日: 更新日:

 長年、死刑判決のたびに「死刑の基準」として引用されてきた「永山基準」が生まれた背景を追ったルポルタージュ。

 永山基準は、1997年に処刑された死刑囚・永山則夫の裁判から生まれた。永山は1968年、盗んだ拳銃で4人を射殺。半年後に逮捕され、1審は死刑、2審は無期懲役の判決が下されるが、最高裁が控訴審判決を差し戻し、死刑が確定する。逮捕から処刑までの29年間、永山は700人以上の相手と1万5000通もの手紙を交わしている。その書簡をはじめ、残された膨大な資料をひもとき、獄中結婚した妻や元裁判官、同級生、親戚などにも綿密な取材を重ねながら、「永山基準」の虚構を暴いていく。

 講談社ノンフィクション賞を受賞した力作。(講談社 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  2. 2

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    ブルージェイズ知将が温めるワールドシリーズ「大谷封じ」の秘策…ドジャース連覇は一筋縄ではいかず

  3. 8

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

  4. 9

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  5. 10

    亀梨和也気になる体調不良と酒グセ、田中みな実との結婚…旧ジャニーズ退所後の順風満帆に落とし穴