「がんでも、なぜか長生きする人の『心』の共通点」保坂隆著

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 日本人の2人に1人が一生のうちにがんを経験するといわれる近年、注目が高まっているのが、「精神腫瘍学」だ。がんと心の関係を研究する学問であり、心のあり方が、がん治療そのものを左右することが明らかになってきた。

 がん患者の2割がうつ病を併発しているというデータがあるが、うつ病は免疫機能を低下させ、がん細胞と戦うナチュラルキラー細胞の活性度も急降下させる。結果、うつ病を併発している患者の方が転移や再発の確率が高まったり、寿命にも悪影響を及ぼすことが分かっているのだという。

 本書では、精神腫瘍学の第一人者が、がんと診断されたときの心の持ち方を伝授。例えば、がんが分かったとき大抵の患者は「自分の何がいけなかったのか」と考えがちだが、“原因”を追求したところで得るものはほとんどない。それよりも、がんになった“意味”を考えるようにし、がんを通して学ぶべきことを追求する。これは、うつ病対策にも有効だ。

 SNSを通じて「がん友」とつながることもお勧めだという。体験や不安をシェアすることは、孤独になりがちな心を支える大きな力となる。心が体にもたらす影響を、再認識させられる。(朝日新聞出版 1000円+税)

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