「物理学者の墓を訪ねる」山口栄一著
「天才物理学者に創発が生まれる瞬間、その片鱗がもしかしたら墓に残されているのではないか」と確信し、そのひらめきの秘密を求めて、ニュートン、ボルツマン、ハイゼンベルク、湯川秀樹、朝永振一郎ら13人の物理学者の墓を訪ねた著者。
ニュートンが眠る墓はロンドンのウェストミンスター寺院の正面左側にある。大理石の石棺の上には、4冊の書籍にもたれて座る、ほぼ等身大のニュートンの彫像があり、その頭上には星座が描かれた天球儀が掲げられ、まさにそこは「自然が表現された一種の科学博物館であり、遊び心満載の遊園地だった」と。そして、「イギリス国教会という全能の神を奉じたカトリックの桎梏(しっこく)から解放された環境こそがニュートンの発見を用意した」と著者は言う。
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