「風のかたみ」葉室麟著

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 豊後、安見藩城下で女医をしていた桑山伊都子は、藩の目付方・椎野吉左衛門に妙なことを命じられた。藩主の御一門衆である佐野家の屋敷に住み込んでほしいという。主の佐野了禅は藩主の上意討ちにあらがって2人の息子ともども討ち死にし、了禅やその息子の妻子ら、女だけが避暑用の白鷺屋敷に残された。彼女たちが自害せぬようにし、さらに身ごもっている女がいないか探れというのだ。どうやら藩のお世継ぎ問題がからんでいるらしい。

 了禅の次男の妻・初は冷たい表情の美女だったが、ある夜、初の部屋に烏天狗の面をつけた男が忍び込む。

 男社会の価値観に殉ずることを拒んだ武家の女たちを描く、斬新な視点の時代小説。(朝日新聞出版 1500円+税)

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