踊って跳ねて現世の染みを振り落とせ

公開日: 更新日:

「死してなお踊れ一遍上人伝」栗原康著

 鎌倉時代の僧侶・一遍上人の生涯を冗舌な文体で描いた画期的評伝。

 一遍の思想を一言で言うと「捨ててこそ」だと著者はいう。現世では、人はどうあがいても仕事の世界にとらわれる。武士の家に生まれた一遍も、家を守ることに追われ、親戚の所領争いに巻き込まれた末に命まで狙われる。そんな息苦しさから逃れようと、家も妻子も捨て出家。全部捨てれば仏のように、縛られることなく自由に生きることができると考えたのだが、現実はそうはいかなかった。人は現世に生きながらにして往生できるはずなのに。行き詰まった一遍は、自分の体に染みついた現世を踊って跳ねて振り落とそうとする。踊り念仏の誕生だ。

 一遍上人の破天荒な生きざまに、有用性や上昇志向に絡めとられた自分の人生をふと振り返る。(河出書房新社 1600円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    東出昌大は「帰宅拒否症」だった“理想の夫婦”の哀しい現実

  2. 2

    東出昌大“裏の顔”浮き彫りに 子育ておろか家事もせず不倫

  3. 3

    杏と東出は別居…ドラマ共演で結婚した夫婦が離婚するワケ

  4. 4

    CM降板も…東出昌大「引退危機」不倫疑惑で視聴者総スカン

  5. 5

    東出の不倫発覚で…杏を苛む“浮気のトラウマ”と“男性不信”

  6. 6

    夫・東出昌大の不倫をバネに?三児の母・杏の気になる今後

  7. 7

    #MeTooに参加 インリンさんがセクシーを発信し続ける理由

  8. 8

    「ビリーズブートキャンプ」が大ヒット ビリー隊長の今は

  9. 9

    東出昌大“針のムシロ”長期化 良きパパのイメージが致命傷

  10. 10

    “ヌーブラ、ヤッホー!”元「モエヤン」久保いろはさんは今

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る