「猿神のロスト・シティ」ダグラス・プレストン著、鍛原多惠子訳

公開日: 更新日:

 スリラー作家としても知られる著者ならではの巧みなストーリーテリングで描かれる、考古学アドベンチャーノンフィクション。

 2015年3月号の科学雑誌「ナショナル ジオグラフィック」の記事に世界が騒然となった。中米ホンジュラスに500年前から伝わる、マヤ文明に匹敵する伝説の「猿神王国」の古代都市群遺跡を、人跡未踏のジャングルの中でついに発見したというものだ。

 本書はその探検調査に同行した著者が、人工衛星や航空機に搭載したセンサーと電磁気を使って上空から熱帯林に覆われた地形の様子や埋蔵物を見つけ出すNASAの最新テクノロジー「ライダー」を駆使し、52点の石像を発見するまでの経緯をつぶさに伝える。発見後、探検隊メンバーが相次いで致死率の高い寄生虫病に感染する後日談も興味深い。(NHK出版 2200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ