「落語魅捨理全集」山口雅也著

公開日: 更新日:

 無門道絡なる僧侶に化けた骨董商の男。田舎の人間をだまして掘り出し物の骨董を安値で手に入れようというのだ。ある茶屋で猫が高価な絵高麗の梅鉢で餌を食べているのを見て、一計を案じた。猫を1両2分で譲ってくれと茶屋の親父に持ち掛け、ついでにその茶碗も、と言ったら、ぴしゃりと断られた。親父は、絵高麗の梅鉢で猫に餌を食べさせると拾ってきた猫が時々、高価で売れるとうそぶく。

 ところが、親父は道絡が持っていた平賀源内の発明品だという刻みたばこ用点火器を見ると目を輝かせ、自分とひと勝負しないかと言いだした。(「坊主の愉しみ」)

 古典落語を下敷きにしながら予想外の結末で驚かせる江戸噺7編。(講談社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    【独自】亀山千広BSフジ社長“台風夜のお色気ホムパ疑惑” 「帰宅指示」を出しながら自分はハイヤーで…

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  1. 6

    明暗分けたメジャーの最新評価…ヤクルト村上宗隆「暴落」、巨人岡本和真は「うなぎ上り」

  2. 7

    中森明菜「奇跡」とも称された復活ステージまでの心技体 「初心を忘れるな」恩師の教え今も…

  3. 8

    フジの朝ワイド「サン!シャイン」8時14分開始の奇策も…テレ朝「モーニングショー」に一蹴され大惨敗

  4. 9

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 10

    セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ