「下半身経済」も中国の大勝利?

公開日: 更新日:

 先進諸国のエロオヤジたちに、観光ついでに性風俗店で楽しんでいただく。

 東南アジアの中でも性風俗産業が発展しているタイの「セックスツーリズム」は、外貨獲得の手段として重宝されてきた。その額は推計で64億ドル。日本円にして約7360億円であり、タイのGDPの12.2%にも上るというから驚きだ。

 門倉貴史著「世界の[下半身]経済がわかる本」(方丈社 1500円+税)では、世界のブラックマーケットに関するさまざまな情報を分析している「Havocscope」のデータを基に、世界各国の性風俗産業の最新情報を紹介している。

 13億7000万人もの人口を抱える中国では、性風俗産業も巨大だ。年間売上高は、何と730億ドル(約8兆3950億円)。中国といえば“エロ厳禁”のイメージもあるが、それは1970年代後半までで、以降の開放路線では性も自由化されている。

 近年、中国では「大人のおもちゃ」が飛ぶように売れているそうだ。バイブレーターやピンクローター、色つきコンドームなどは、セックスをよりスタイリッシュにエンジョイしたいというセレブな層にウケている。さらに、オナホールやラブドールも大人気だ。「一人っ子政策」の影響で、男児出生率が世界平均より高い中国では、生身の女性と交際するのは狭き門。近頃では人間よりもラブドール派という若者も増加しており、中国の大人のおもちゃ市場は年率20%を超えるハイスピードで拡大が続くと予測されている。

 日本の年間売上高も7兆6636億円と、中国に迫るスケベさだ。しかし若い男性の草食化は確実に進んでおり、1037億円と推計されるAV市場などは縮小傾向をたどっている。しかし、クールジャパン戦略で海外市場に活路を見いだす取り組みも始まっているそうだ。ちなみに、日本のAVが大人気となっているのがフランス。“体毛フェチ”の男性が多く、黒々とした日本女性のアンダーヘアがたまらんのだとか。

 60億円を超えてきた女性向けAVや、これを上回る102億円規模となった高齢者向けAVなども市場を活気づけていると本書。日本の不景気を救うのは“下半身経済”だ!

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終