「死者ノ棘」日野草著

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 恋人の宗太から当然、別れを切り出され、絶望の淵にいた理子は、駅のホームで男に声をかけられる。思い詰めて電車に飛び込みそうな顔をしていたのかもしれない。

「そのまま死んでもいいのか」という男の声に我に返った理子は、玉緒と名乗る男についていく。やがて理子の眼前で事故が起き、巻き込まれた女性が死ぬ。しかし、玉緒によると死んだ女性の魂は、事故直前にぶつかった男と入れ替わり、生きているという。死期が見えるという玉緒は、理子に自分の特殊な力を使って、あの女と同じように他人の体を奪い、生き残らないかと誘う。理子の脳裏に宗太の顔が浮かぶ。(「恋の最果て」)

 玉緒とかかわる5人の男女の生と死を描く連作ミステリー。

 (祥伝社 640円+税)

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