「死者ノ棘」日野草著

公開日: 更新日:

 恋人の宗太から当然、別れを切り出され、絶望の淵にいた理子は、駅のホームで男に声をかけられる。思い詰めて電車に飛び込みそうな顔をしていたのかもしれない。

「そのまま死んでもいいのか」という男の声に我に返った理子は、玉緒と名乗る男についていく。やがて理子の眼前で事故が起き、巻き込まれた女性が死ぬ。しかし、玉緒によると死んだ女性の魂は、事故直前にぶつかった男と入れ替わり、生きているという。死期が見えるという玉緒は、理子に自分の特殊な力を使って、あの女と同じように他人の体を奪い、生き残らないかと誘う。理子の脳裏に宗太の顔が浮かぶ。(「恋の最果て」)

 玉緒とかかわる5人の男女の生と死を描く連作ミステリー。

 (祥伝社 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"