「維新の羆撃ち」経塚丸雄著

公開日: 更新日:

 五稜郭の戦いに敗れ、兄と本多佐吉とともに逃れてきた奥平八郎太。彼の前に立ちふさがったのは、口元を血で染めた巨大なヒグマだった。深手を負った八郎太は猟師の十蔵、喜代夫婦に助けられ、鉄砲で撃たれた右腕を切り落とされて命拾いする。八郎太はヒグマに殺された佐吉の墓を作り、十蔵の手伝いをして暮らすが、結核で先の短い十蔵に、小屋も火縄銃も譲るから喜代と夫婦になれと言われ、その頼みを聞き入れる。八郎太は、十蔵から兄の喜一郎が新政府軍に投降したことを聞き、動揺する。開拓使庁の役人となった兄との再会で、八郎太は新しい時代と対峙することに。

 武士の価値観を捨てることを迫られる男を描く時代小説。

(河出書房新社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発