「維新の羆撃ち」経塚丸雄著

公開日: 更新日:

 五稜郭の戦いに敗れ、兄と本多佐吉とともに逃れてきた奥平八郎太。彼の前に立ちふさがったのは、口元を血で染めた巨大なヒグマだった。深手を負った八郎太は猟師の十蔵、喜代夫婦に助けられ、鉄砲で撃たれた右腕を切り落とされて命拾いする。八郎太はヒグマに殺された佐吉の墓を作り、十蔵の手伝いをして暮らすが、結核で先の短い十蔵に、小屋も火縄銃も譲るから喜代と夫婦になれと言われ、その頼みを聞き入れる。八郎太は、十蔵から兄の喜一郎が新政府軍に投降したことを聞き、動揺する。開拓使庁の役人となった兄との再会で、八郎太は新しい時代と対峙することに。

 武士の価値観を捨てることを迫られる男を描く時代小説。

(河出書房新社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?