「我が子を殺した男」深谷忠記著

公開日: 更新日:

 かつて勤務していた武蔵大和署に7年ぶり異動になった刑事の樫村の脳裏に、8年前の事件が蘇る。

 その事件とは信用金庫の職員・島内が家庭内暴力に悩み、息子の亮太を撲殺したというものだった。樫村は、3年前に出所した島内が気になる。半年後、島内家から女性の悲鳴が聞こえたと隣人から通報が入った。当直の樫村が駆け付けると、応対した島内は夫婦喧嘩だと弁明。彼の妻も同じ話を繰り返す。2人の様子に不審を抱いた樫村が、島内の制止を振り切り、部屋に入ると男の刺殺体が転がっていた。島内は、侵入した強盗に妻が襲われたので思わず包丁で刺したと話す。(表題作)

 劇的結末にア然の佳作を収録したミステリー集。

 (光文社 620円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー