「緑の窓口」下村敦史著

公開日: 更新日:

 区役所職員の天野は、公園で変な美女を見かけた。園内の桜の開花時期が違うと聞いて突然桜に張り付き、公園の管理者に、これはソメイヨシノだから開花時期が違うのは病気かもしれないと言う。数日後、天野は「緑の窓口」に異動になった。樹木に関するトラブルに対処する窓口だ。庭のスギを切りたいのに姑が反対しているという相談があったので大河内家に行ってみたら、公園で見た美女がいた。樹木医の柊紅葉で、こんな立派なスギは珍しいという。大河内夫人は、日当たりが悪くなるし近所にも迷惑だと言うが、姑は花屋で働いているのに花言葉も知らないくせに、と反論する。(「症例1」)

 樹木に寄せる思いを読み解く6編のミステリー。

(講談社 1550円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  3. 3

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  4. 4

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 5

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  1. 6

    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”

  2. 7

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  3. 8

    巨人・岡本和真が狙う「30億円」の上積み…侍ジャパン辞退者続出の中で鼻息荒く

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ