「つばき」山本一力著

公開日: 更新日:

 寛政元年5月、つばきは浅草で営んでいた一膳飯屋「だいこん」を深川に移す。土地の行事やしきたりを覚えたいつばきは、貸元の弐蔵に教えを請う。そんな時、店に大工の吉蔵と名乗る男が訪ねてくる。吉蔵は深川で名の通った廻漕(かいそう)問屋・木島屋の隠居所の普請を請け負っており、3日後に上棟式のための仕出し弁当を100個届けて欲しいという。注文をこなすため、つばきは魚市場の信次らの協力を得て、小鯛を仕入れる一方、奮発して杉の折り箱も調達する。そうして仕上げた弁当を約束の時刻に届けたが、普請場には上棟式だというのに招かれた客の姿はなく、つばきの胸はざわつく。

 深川に馴染もうと奮闘するつばきの姿を描く下町細腕繁盛記。

(光文社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に