「廓の媚学」菊地ひと美著
吉原で遊ぶ場合、料金はいくらなのか。遊女はほぼ5階級に分かれていて、江戸後期の文政9年発行の「吉原細見」によると揚げ代(遊ぶ料金)は、花魁道中をする特権を持つ最上級の花魁が、新造付き添いで金1両1分(約12万5000円)。上級の花魁で夜は金1分2朱(約3万7000円)、座敷持ちで金1分(約2万5000円)、部屋持ちで金2朱(約1万2000円)。
さらに、この料金のほかに、酒や仕出しの料理、やり手、若い者ヘのチップなどが別途につき、どんどん高くなり、まるで現代でいうぼったくり状態とか。そこで茶屋の出番。茶屋を通すと面倒な手続きはなく、遊び料金は一括払いで安くつくという。
廓の仕組みから、花魁との遊び方、遊女の床技のあの手この手までを文とカラー挿絵で解説。
(講談社 1850円+税)