「あるノルウェーの大工の日記」オーレ・トシュテンセン著、中村冬美&リセ・スコウ訳、牧尾晴喜監訳
オスロで大工をしている著者は、130年前に建てられたコーポラティブハウスの屋根裏を改築するという仕事を依頼された。屋根裏の改築は、その家を建てた人々の仕事を引き継いでいるような気分になるので好きだ。客の依頼は、屋根裏に子ども部屋、リビング、バスルームを造り、上に中2階を造ること。だが、屋根裏を支える方杖やつなぎ小梁があり、当初の計画のままでは、つなぎ小梁の下でバスタブに横たわり、反対側にあるトイレでつなぎ小梁に鳥のように止まって用を足すことになることが判明した。
大工の仕事の面白さ、楽しさを描くエッセー。なぜか換気用ダクトにムンクの「叫び」の人物がはまりこんでいるおちゃめなイラストなどがあって楽しい。
(エクスナレッジ 1700円+税)