「死刑にいたる病」櫛木理宇著

公開日: 更新日:

 優等生を自負していた雅也だが、高校で不登校になり、滑り止めの大学で鬱屈した学生生活を送っていた。ある日、実家から一通の封書が転送されてきた。差出人は少年時代に通った近所のパン屋の店主・大和だった。5年前、少年少女24人の殺害容疑で逮捕された大和は、1審で死刑を宣告され、現在控訴中だった。

 雅也が面会に行くと、大和は意外なことを口にする。警察が立件できた9件の殺人のうち、1件は冤罪(えんざい)だというのだ。それが立証できたところで、死刑判決は覆らないだろうが、大和は他人の罪まで負いたくないと話す。冤罪を晴らすため、大和の生い立ちから調べ始めた雅也は、次第に彼に魅せられていく。

 注目作家による長編ミステリー。

(早川書房 740円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし