「熱帯雨林コネクション」ルーカス・シュトラウマン著、鶴田由紀訳
2010年6月20日、元BBC記者クレア・ルーカッスルに、アメリカの不動産会社の幹部から内部告発の電話が入った。4カ月後、その幹部は死亡する。彼が取締役を務めていたスライマン・タイブの会社は、ボルネオ島の北部に広がるマレーシア・サラワク州の熱帯雨林を乱伐し、破壊していた。イギリスの植民地だったサラワクは1963年、独立したばかりのマレーシアに併合され、サラワク州の最初の内閣の大臣となったのが、幸運と叔父のコネでそのポストに就いたタイブだった。80年代に数千人の先住民族が抗議行動を起こすが、弾圧によってつぶされた。
マレーシア木材マフィアの実態を暴くノンフィクション。
(緑風出版 2800円+税)