「道標」今野敏著

公開日: 更新日:

 安積剛志警部補が率いる、東京湾臨海署刑事課強行班第1係・通称「安積班」には、そこに集まった人々が自然と互いに力を合わせたくなる、不思議な結束力があった。そんな現在の安積班が出来上がるまでの、若かりし日々の出来事をつづった短編連作集が本書だ。

 たとえば、警察学校時代に厳しい訓練のなかで挫折寸前に追い込まれた仲間とのエピソードが盛り込まれた「初任教養」、警察学校を卒業した後に中央署地域課に配属された安積が非行少年あがりの若者に慕われる物語「捕り物」、念願かなって刑事課に配属されてすぐに起きた事件に対して安積の原点となる捜査姿勢が見え隠れする「熾火」など、全10編を収録。安積という男が積み重ねてきた日々を読み進めるうち、彼の哲学や魅力の秘密がわかってくる。

 大ベストセラーの安積班シリーズの原点が読み解ける最新作とあって、ファンなら、わくわくすること必至。

 もちろん初めて読む人でも楽しめる内容になっている。

(角川春樹事務所 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「左膝の半月板が割れ…」横綱・豊昇龍にまさかのアクシデントで稽古中止

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  4. 4

    高市政権が抱える統一教会“爆弾”の破壊力 文春入手の3200ページ内部文書には自民議員ズラリ

  5. 5

    前橋市長選で予想外バトルに…小川晶前市長を山本一太群馬県知事がブログでネチネチ陰湿攻撃のナゼ

  1. 6

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網

  2. 7

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  3. 8

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  4. 9

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 10

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」