「日本史の内幕」磯田道史著

公開日: 更新日:

 古文書を解読しながら、歴史の真実に迫る歴史読み物。

 神田の古書店で購入した戊辰戦争の風聞を記録した冊子をひもといてみると、勘定奉行・小栗上野介の幕府滅亡時の動静を記した新史料であることが分かった。そこには徳川埋蔵金に関する新事実も記されていたという。

 他にも、明治天皇の皇后が京都を出て「新首都」東京に定住するまでの詳細を記録した「皇后宮御所行啓日誌」や、浜松城の前身である引間城の城主の娘が垣間見た無名時代の豊臣秀吉の若き日の姿が書かれた「太閤素生記」、大坂夏の陣で打ち取られた真田信繁の生首と対面した家康が語った言葉が書かれた徳川譜代大名井伊家の記録「花筵記」など。

 新発見の古文書から日本史の謎を読み解く。(中央公論新社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝