「天翔ける」葉室麟著

公開日: 更新日:

 1863年、越前福井藩は過激な尊王攘夷派を鎮圧するため藩を挙げて上洛すべしと、学者の横井小楠に決断を迫られていた。そこに幕府の軍艦奉行並・勝海舟の使いが訪れた。むさくるしい身なりで現れた坂本龍馬は、神戸に海軍操練所をつくるために5000両を用立ててほしいと頼む。

 前藩主の松平春嶽がそれを了承し、福井藩の上洛についての考えを問うと、龍馬は、長州藩との戦は福井藩には手に余るから武にたけた薩摩に任せるのが上策だと答える。福井藩は上洛を見送るが、その後、京では尊攘派が一掃されるという政変が勃発する。

 欧米列強から国を守るため、徳川の親藩ながら明治新政府でも活躍した松平春嶽を描く長編小説。(KADOKAWA 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」