「天翔ける」葉室麟著

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 1863年、越前福井藩は過激な尊王攘夷派を鎮圧するため藩を挙げて上洛すべしと、学者の横井小楠に決断を迫られていた。そこに幕府の軍艦奉行並・勝海舟の使いが訪れた。むさくるしい身なりで現れた坂本龍馬は、神戸に海軍操練所をつくるために5000両を用立ててほしいと頼む。

 前藩主の松平春嶽がそれを了承し、福井藩の上洛についての考えを問うと、龍馬は、長州藩との戦は福井藩には手に余るから武にたけた薩摩に任せるのが上策だと答える。福井藩は上洛を見送るが、その後、京では尊攘派が一掃されるという政変が勃発する。

 欧米列強から国を守るため、徳川の親藩ながら明治新政府でも活躍した松平春嶽を描く長編小説。(KADOKAWA 1600円+税)

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