「座右の寓話」戸田智弘著
寓話とは、そもそも何のためにあるのか? 著者は教訓や心理を伝えるために、その運搬手段として、お話を活用したと解説する。そのままでは咀嚼しにくい、教訓や心理を楽しい話に包んで、読み手に届けようとしたのだと。
本書では、お話と教訓を2つに分け、その間に“間”を設けることで、読者に自由な思考を促そうとしている。
紹介しているのは全77話の寓話。それを15章に分け、それぞれ、「視点と視野と視座」「欲望との付き合い方」「自分の物語の描き方」など、章題を付けて紹介している。
取り上げた寓話は、おなじみのイソップ寓話、仏教寓話、荘子の寓話のほかに、イエスのたとえ話、逸話、笑い話、民話など多岐にわたり読者を飽きさせない。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1600円+税)