「市場のことば、本の声」宇田智子著

公開日: 更新日:

 書店勤務を辞めて、那覇市の公設市場の向かいに「市場の古本屋ウララ」を開店した著者。

「そんな椅子に座っていると腰を悪くするよ」と言われながら、折りたたみ椅子に座って店番をしている。

 近くの店の人も似たような椅子に座っているのだが、みんな何もせずに座っていることに驚いた。品出しや客引きをしている人もいるが、何かを見ているような見ていないような感じでただ座っている人もいる。東京では電車の中でもみんな読書をしたり、携帯をいじったりしているから、ただ座っているだけの人たちに出会ったときはとまどった。だが、「何もせずに」と考えるほうが間違っているのかもしれない。(「椅子」)

 日々の生活の価値観を疑ってみたくなるエッセーがいっぱい。

(晶文社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が