「なぜ共働きも専業もしんどいのか」中野円佳著

公開日: 更新日:

 2児を育てながら働いていた著者は、限界を感じ、夫のシンガポール転勤を機に退職し、帯同。そこで出会ったさまざまな多国籍夫婦は、共働きも専業主婦家庭も日本人家庭より余裕があるように見えた。その違いは、シンガポールはすべてにおいて社会が共働き前提であるが、日本は共働き世帯が専業主婦世帯数を追い抜いて20年以上経っても、まだまだ専業主婦前提の社会だからだと指摘する。

 子供が寝る直前まで帰宅できない生活に疑問を抱き仕事を辞めたアヤさんら、子育てと仕事の間で揺れ動く女性たちの実態を取材。専業であれ、共働きであれ、さまざまな負担を女性に押し付けることで社会を回してきた日本社会の循環構造の現実を問うリポート。 (PHP研究所 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が