「最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし」後藤道夫、中澤秀一ほか著 福祉国家構想研究会編

公開日: 更新日:

 労働組合は2015年まで最低賃金1000円を目標にしていたが、これは都市部で借家暮らしの場合、約160時間働いても生活保護基準を下回る数字だ。最低賃金が男性の正規労働者とは別の、女性や非正規労働者を対象に考えられてきたためだ。

 だが、日本では最低賃金水準の仕事にしか就けないワーキングプア層が増えている。現在、最低賃金を1500円にして年間1800時間働き、年収270万円で暮らせる社会が提起されている。40代の夫婦と子供2人の家族では年収650万円必要だが、住宅補助費、教育無償化、児童手当の拡充が実現すれば、夫婦共働きで生活できるという。日本の「雇用崩壊」を乗り越えるための提言の書。

(大月書店 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  2. 2

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 3

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 4

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  5. 5

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  1. 6

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  2. 7

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  3. 8

    風間俊介の“きゅるるん瞳”、庄司浩平人気もうなぎ上り!《BL苦手》も虜にするテレ東深夜ドラマの“沼り力”

  4. 9

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  5. 10

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ