「怪獣生物学入門」倉谷滋著

公開日: 更新日:

 怪獣映画などに登場するモンスターたちを科学的に考察したサイエンスエッセー。

 怪獣は、我々が知る生物科学の基礎の上に立った「あり得たかもしれない架空の『新種』」なのだと形態進化生物学者の著者は言う。

 例えばゴジラは、ティラノサウルスなどの恐竜の模倣として生まれた。しかし、古生物学の発展で現実の恐竜の姿が変貌したことにより、その後のゴジラは想像上の独自の世界観を構築していったという。他にも、ゴジラが攻撃されても死なない理由とされる「オルガナイザーG1」と呼ばれる「細胞内小器官」の可能性をはじめ、ゴジラとヒトとバラの細胞が融合した怪獣ビオランテなど。その形態や作中の設定などをヒントに各怪獣を生物学的に分析する。

(集英社インターナショナル 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因