「エピデミック」川端裕人著

公開日: 更新日:

 C市での仕事を終えた国立集団感染予防管理センターのスタッフ、ケイトは、予定を変更して県内のT市に向かう。恩師の大学教授・棋理からの連絡で、同市の病院のインフルエンザ患者が何人も重症化しているというのだ。同病院の医師・高柳の案内で病室に行くと、青壮年の、リスクが低い患者も昏睡(こんすい)状態に陥っていた。ケイトの脳裏に数年前、疫学調査で訪ねた香港で垣間見た集団感染の悪夢がよみがえる。やがて患者がすべて同市の崎浜という地区に在住していることが分かり、ケイトは翌朝、現地に乗り込む。同じころ、病院では患者たちの容体が急変して次々と死亡してしまう。

 感染拡大を食い止めるために奮闘するケイトたちの10日間を描くアウトブレーク小説の復刊。

(集英社 1050円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」