「エピデミック」川端裕人著

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 C市での仕事を終えた国立集団感染予防管理センターのスタッフ、ケイトは、予定を変更して県内のT市に向かう。恩師の大学教授・棋理からの連絡で、同市の病院のインフルエンザ患者が何人も重症化しているというのだ。同病院の医師・高柳の案内で病室に行くと、青壮年の、リスクが低い患者も昏睡(こんすい)状態に陥っていた。ケイトの脳裏に数年前、疫学調査で訪ねた香港で垣間見た集団感染の悪夢がよみがえる。やがて患者がすべて同市の崎浜という地区に在住していることが分かり、ケイトは翌朝、現地に乗り込む。同じころ、病院では患者たちの容体が急変して次々と死亡してしまう。

 感染拡大を食い止めるために奮闘するケイトたちの10日間を描くアウトブレーク小説の復刊。

(集英社 1050円+税)

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