「日本の医療の不都合な真実」森田洋之著

公開日: 更新日:

 コロナ禍を通して見えてきた日本の医療が抱える「本質的な問題」について解説する警世の書。

 日本を含む東アジア諸国の死亡率が欧米の100分の1しかないという事実に注目。一方で、日本は人口あたり世界一の病床数を誇るのに、コロナ対策として使用できたのは2%にも満たなかった(2020年7月10日時点)。そうした事実から一般病棟として稼働している病床を、即座に緊急事態に対応できる病室にするシステムをつくっておく重要性を説く。

 また日本の15倍もの死者が出たが医療体制に余裕があったドイツを例に、最強の戦力を保持しながらそれらを適正に配置する指揮命令系統を失った状態の日本の医療の現実を指摘するなど。

 日本人の医療への誤解を解きながら、問題点を洗い出す。

(幻冬舎 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑