「金春屋(こんぱるや)ゴメス」西條奈加著

公開日: 更新日:

 30年前、19世紀初頭の江戸を忠実に再現した元老人タウンが独立国家を宣言して鎖国。大学2年の辰次郎は、余命半年を宣告され入院中の父親に頼まれ、今は日本の属領となっている江戸に入国する。両親の離婚後、母の実家で育った辰次郎は、父と10年ぶりに再会したばかりだ。

 実は、今は亡き母と父親はかつて江戸で暮らしており、辰次郎も江戸生まれだが、当時の記憶は全くない。江戸に入国した辰次郎は飯屋金春屋の裏にある長崎奉行出張所の奉行・馬込播磨守のもとで働くことに。怪異な巨体で極悪非道、誰もが恐れる奉行の馬込は、寿々という名の女だった。数日後、辰次郎は奉行の部下・十助に連れられ生まれ故郷に連れていかれる。

 人気作家のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

(新潮社 737円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解