「日本解体論」白井聡、望月衣塑子著

公開日: 更新日:

 気鋭の政治学者と新聞記者が、日本社会を加速度的な崩壊へと導く政治の責任とそれを許したメディアについて論じた対談。

 白井氏は、日本の近現代史は国体の歴史だという。戦前の国体は明治時代に形づくられた近代天皇制国家というシステム。それが敗戦によって破滅し、戦後はアメリカを頂点とする国体となったという。

 国体に乗っかった形で日本は発展したが、それがうまくいかなくなっても、軌道修正ができず、破滅を迎えようとしていると指摘。「平和と繁栄」としての戦後は幻影でしかなく、民主主義や平和主義でさえ建前であったことを明らかにした原発事故、そしてポスト3.11に登場した安倍政権を支え続けた国民自身の責任など。日本の政治状況を直視し、この状況を生み出した背景に迫る。

(朝日新聞出版 1001円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到