「過剰反応な人たち」中川淳一郎著

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「過剰反応な人たち」中川淳一郎著

 新型コロナに怯えた3年半の日本社会を辛口に斬る社会時評集。

 2020年以降、マスクの常時着用やアルコール消毒などのさまざまな不便が「ニューノーマル」「新しい生活様式」として押し付けられてきた。本来、ニューノーマルとは「公衆電話→携帯電話」のように便利になったり改善されたりしたもので、肯定的なニュアンスの言葉だと指摘。「この不便さを受け入れろ」という圧力さえ感じる、国や専門家が使うニューノーマルや新しい生活様式という言い回しに疑いの目を向ける。

 ほかにも、コロナ禍で責任を取りたくない現場と「一応指導はした」と言いたい当局の利害が一致しただけの「ガイドライン」をはじめ、やがて日本を滅ぼすことになると危惧する校則のアホさ加減まで。

 日本社会をさまざまな角度から見つめ直す。

(新潮社 836円)

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