「ぼくたちがコロナを知らなかったころ」吉田修一著

公開日: 更新日:

「ぼくたちがコロナを知らなかったころ」吉田修一著

 人気作家のエッセー集。書名の通り、新型コロナウイルスの流行が起きるとは誰も知らなかった、2016年秋から19年秋までの雑誌連載を収録。

 世界各地で行われるブックフェアには何度も誘われてきたが、こうしたイベントが苦手で、これまでは遠慮してきた。しかし、中国の担当編集者の熱心さに応えようと、上海で行われるブックフェアに参加。目の回るようなスケジュールの3泊4日を振り返り、街や住人たちへの思いを記す。

 ほかにも、思い立って誕生日前日に出かけた伊勢参りや、冬になるとなぜか甘えてくる飼い猫とそのことについて友人が発した一言との葛藤、新居への引っ越しで思い出す芥川賞候補になったと知らせを受けた20年前のあの日のことなど、日常の点景がつづられる。 (集英社 660円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁