備えあれば憂いなし 老い支度本特集

公開日: 更新日:

「老い方がわからない」門賀美央子著

 2025年を迎え、みな等しく1つ年を取った。幼児は児童へ、少年は青年へ、そして中年は老年へ……。初めて迎える「老い」にどう対処するべきか。今回は、老いへの心構え、準備など諸先輩の体験から自分の未来を考えてみよう。

  ◇  ◇  ◇

「老い方がわからない」門賀美央子著

 50代半ばに近づき、団塊ジュニア世代でおひとりさまの著者はどうすれば上手に年を取っていけるだろうか、と考えるようになった。今、社会を見ると、将来、危機的な状況が待ち受けているのは目に見えている。一念発起した著者は、上手な「老い方探し」を始めた。

 ロールモデル、反面教師を探す一方、老いの工程表づくりにあたって「大人の体力測定」と「全国統一スマホデビュー検定」で自分の現在地を計測。更に中学の技術家庭と保健体育の問題集を解き、新しくなった洗濯表示などアップデートが必要な知識をあぶり出す。ほかにもすみか、身寄りがない場合は? など一つ一つ問題をあぶり出した著者は、老後に大切なのは情報弱者、コミュニケーション障害に陥らないこと、そして「老いに対して正しい自認と覚悟」だと結論。つまりシワを認めないと、シワ取りクリームは買わないが、20代の肌に戻らない覚悟をするということだ、と。

 健やかな老い方を追求したユーモアあふれるエッセー。

(双葉社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」