快挙かヤラセかで大騒ぎだった猿岩石騒動

公開日: 更新日:

 クルド分離独立問題で揺れるイラン―トルコ国境付近も、紛争や誘拐事件が繰り返し報じられる危険地帯。ヒッチハイクで越えられるようなルートではなかった。

 そして帰国後間もない11月、バンコク―ヤンゴン、ヤンゴン―コルカタ、テヘラン―アンカラの3区間で飛行機に乗ったとスクープされた。番組では猿岩石が陸路のみで踏破したかのように放送されたため、発覚直後は「美談の大ウソ」など批判の声が上がった。これに日テレ側が「あの番組はドキュメンタリーではなくバラエティー、演出があってもいいじゃないか」と反発したが、「開き直り」と糾弾する声も出た。

 ただ、猿岩石には擁護の意見が多かった。飛行機を使ったとはいえ、これ以上進めないという国境近くの町まではヒッチハイクし、戻って空路で国境を越えるなど可能な限り、ヒッチハイクで踏破していた。

 そもそもミャンマーの国境が封鎖されているのは周知の事実。独自取材をせず、ゴール後にヤラセと騒ぐマスコミは後知恵との声もあった。ゲリラと政府軍が戦闘状態にある地域を歩いて移動するのは自殺行為。ズルして飛行機に乗ったのならともかく、同行する撮影スタッフに止められたら危険地帯をパスするのは当然。責められるべきは演出過剰な局の体質という意見もあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝