“ポスト相棒”探るSMAP草なぎ「スペシャリスト」の異色性

公開日: 更新日:

 今期は、独立騒動の渦中にあるSMAPのメンバーの主演ドラマが複数ある。草なぎ剛の「スペシャリスト」もその一つだ。

 まず、無実の罪で10年間服役していた刑事・宅間善人(草なぎ)という設定が意表をつく。刑務所で学んだ犯罪者の手口や心理など、いわば“生きたデータ”こそが武器だ。

 さて初回だが、首を吊った小説家の死体が自宅で見つかる。自殺かと思いきや、背中にはナイフが刺さっていた。奇妙なのはそれだけではない。密室殺人であり、見立て殺人であり、被害者が犯人を示唆するダイイングメッセージまで残っていた。ミステリー小説の定番要素がてんこ盛りだ。

 宅間は捜査を開始するが、途中で容疑者の男が射殺されてしまう。しかも宅間がその犯人として裁かれ、刑務所に逆戻り。このあたりから、ベテラン脚本家・戸田山雅司の技が冴えまくる。登場人物が連続して死んでいくことで事態は二転三転。先が読めないので、見る側はワクワクしてくる。

 草なぎは、飄々としていながら洞察力に秀でた主人公を好演。「コメとマイナンバーは一生ついて回るよ」などとつぶやく、ひと癖ある上司(吹越満)や、自由過ぎる宅間に振り回される女性刑事(夏菜)といった脇役もうまく生かされていた。

 さすが東映の制作であり、大人が見ても楽しめる。“ポスト「相棒」”を探る戦略商品だ。

(上智大学教授・碓井広義=メディア論)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈47〉気仙沼ちゃんは民宿4軒経営の大女将に 説教してテレビで夫を募集させた甲斐があった

  2. 2

    萩本欽一〈46〉斉藤清六が泣きながら持ってきた1000万円、追い返そうと思って貯金額を聞いたら驚いた

  3. 3

    timelesz猪俣周杜容疑者が殴ったのは「プリクラ彼女?」 逮捕のウラと“タイプロバブル崩壊”カウントダウン

  4. 4

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです

  5. 5

    千葉秋季大会開幕も専大松戸が「来春センバツを狙う」と宣言できない切実なチーム事情

  1. 6

    元小結・常幸龍貴之さんは土俵付きレストランの店長に「序の口デビュー27連勝」の記録持つ

  2. 7

    萩本欽一〈44〉松居直美の芸能界引退宣言をひっくり返した“インチキ大芝居”「社長を泣かせれば大丈夫」

  3. 8

    中村メイコさん「大切なものから処分するとその先の断捨離が進む」

  4. 9

    星野仙一監督のキレ散らかしようはそれはもうすごい 巨人や中日に負けたら特にひどかった

  5. 10

    萩本欽一〈43〉欽ちゃん流“運を呼ぶ”オーディションでブレークした当時15歳の無名女性歌手