ボブ・ディラン「風に吹かれて」の問いかけは現代に必要

公開日:

【特別寄稿 音楽評論家・天辰保文氏】

 ボブ・ディランに、ノーベル文学賞が授与されることになった。以前から、その可能性は噂されていたし、むしろ、遅いくらいの授賞だが、実際にその一報を耳にして少し驚いたというのが正直なところだ。ノーベル賞も気が利いたことをするものだ、と。

 むろん、歌手の授賞は初めてだ。「米国の歌の伝統において、新たな詩的表現を創造した」というのが、授賞理由らしい。考えてみれば、若い頃の彼は、古い民謡に手を加え、新しい命を吹き込んだ。代表作の一つ「風に吹かれて」にしても、黒人霊歌「ノー・モア・オークション・ブロック」のメロディーを参考にしたといわれている。

 1960年代、公民権運動や反戦運動に揺れ動く米国社会を背景に、その「風に吹かれて」や「時代は変る」などで、古くさい大人たちに異議を申し立て、若者たちに熱狂的に歓迎されたのが始まりだ。それから50年余り、いまもなお、75歳にして現役で歌い続けている。朗報が世界中を駆け巡った翌日も、米国ラスベガスで公演し、普段通りに歌い、そして会場を後にしたという。しかも、受賞について一切発言することもなく。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    豊洲市場の事故現場は“血の海”だった…目撃者は顔面蒼白

  2. 2

    6億円&原監督のメッセージ…巨人「FA炭谷取り」真の狙い

  3. 3

    袴田吉彦と“アパ不倫”の真麻さん 新恋人との「結婚」激白

  4. 4

    「人の税金で学校」麻生大臣また舌禍で安倍政権の公約破壊

  5. 5

    鼻を突く生臭さ…豊洲市場の内外で漂い始めた「腐敗臭」

  6. 6

    原巨人ため息…“陰のMVP”天敵フランスアは広島であと5年

  7. 7

    元武富士ダンサーズ 大西裕貴子さんが明かす“CM撮影秘話”

  8. 8

    ネットに顔さらされた運転手はホリエモンを訴えられる?

  9. 9

    関根正裕×江上剛 総会屋事件対応した2人が語る今の銀行界

  10. 10

    カネだけじゃない…ソフトBが持つ最大の武器は“世界の王”

もっと見る