著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

最高のタイミングで世に放たれた ピコ太郎の幸運と信念

公開日: 更新日:

 伝説的なポップ・アーティストとして知られるアンディ・ウォーホルは、かつて「誰もが15分間は世界的な有名人になれる時代が来るだろう」という言葉を残した。彼が世を去ってから約30年後、東洋のかなたからたった1分足らずの動画で世界を変えてしまう男が現れた。

 彼の名はピコ太郎(53)。その男が手がけた「PPAP」と名付けられた奇妙な楽曲は、インターネット上の口コミを通じて瞬く間に世界各国に広まった。

 動画サイトで検索してみると、世界中のミュージシャンや一般人が、音楽をリミックスしたり彼の真似をして踊ったりしている動画が数多く見つかる。これほどわずかな期間で世界中に知られるタレントが現れたのは、日本の芸能史上初めてのことだろう。耳に残る楽曲と、思わず真似したくなる振り付けで世界に革命を起こした。

 そんなピコ太郎のプロデューサーを務めているのがお笑い芸人の古坂大魔王(43)。芸人でありながら楽曲制作やアイドルプロデュースなどの仕事にも携わり、マルチな才能を持っていた。もともと古坂は「底ぬけAIR-LINE」というコンビを結成しており、90年代後半には「ボキャブラ天国」「爆笑オンエアバトル」などにも出演。その頃から音楽やダンスを取り入れたネタを得意としていた。彼の中では「笑いと音楽の融合」というのがひとつの大きなテーマだったのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い