桑田佳祐が即興指導 高樹澪が振り返る“歌手デビュー”秘話

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■差し替え危機から大どんでん返し

 それを耳にされていたんでしょうね。挨拶もそこそこに、直接、歌唱指導をしてくださることになりました。そして話しているうちに即興でポロポロとギターを弾いて詞が生まれ、曲ができたんです。その間ほんの5、6分、もう少しあったかしら。もちろん即興ですから譜面なんてありません。桑田さんの鼻歌と口頭で、歌詞とメロディーを教えてもらったんです。それで、この曲を仮歌としてレコーディング。アミューズの事務所で流していたところ、出張帰りの大里社長がお聴きになり、「お、いいね。誰だこれは?」と。ダメ出しから大どんでん返し。差し替えなしで歌うことに決まったのです。

 それが挿入歌の一つになり、サザンオールスターズさんの4枚目のアルバム「ステレオ太陽族」(81年7月21日)に収録されているバラード「恋の女のストーリー」。もちろん私のデビュー曲でもあります。

 そして翌年の7月にリリースしたのが「ダンスはうまく踊れない」。この曲の大ヒットで歌手としても認知され、ミュージカルにも出演したのですから、本当に人生って分かりません。

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