著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

抗がん剤による「脱毛」を防ぐために数々の取り組みが行われた

公開日: 更新日:

 細胞分裂のスピードが速く、殺細胞作用を有する抗がん剤の影響を受けやすいところには「毛髪」もあります。髪の毛が伸びるということは、それだけ細胞分裂しているということです。ここに抗がん剤が作用すると、毛根の細胞分裂が抑制されるために脱毛が起こります。

 ドラマ映画でもしばしば描写されるため、がん化学療法というと脱毛をイメージされる方もたくさんいらっしゃるかと思います。ただ、すべての抗がん剤で起こるリスクはありますが、クスリの種類によってその程度は異なってくるので、すべての抗がん剤で起こるというわけではありません。

 脱毛は見た目に影響するので、できるだけ避けたい副作用でしょう。そこで、これまで抗がん剤による脱毛を予防するためにさまざまな取り組みがされてきました。そのひとつに「氷で作った帽子をかぶる」という方法があります。頭皮を冷却することで血管が収縮するので、血液を介して抗がん剤が毛根に到達する量を少なくしようという試みでした。しかし、頭を冷やすことによる苦痛があったこと、見た目の問題、さらには予想したような効果が得られなかったため、現在ではほぼ行われていません。

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