米アカデミー作品賞 映画「ムーンライト」受賞の深読み

公開日: 更新日:

「反トランプ」が色濃く出た前代未聞のオスカーだった。26日(日本時間27日)に行われた第89回米アカデミー賞授賞式。ハリウッドの白人至上主義を訴えるトランプ米大統領への反発がそうさせたのだろう。

 最高峰の「作品賞」には人種・貧困問題を描いた「ムーンライト」(日本公開4月28日)が選ばれた。大本命と目されたミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」は受賞を逃し、「昨年も下馬評の高かった『レヴェナント:蘇えりし者』が作品賞を逃したように、過度に注目を浴びると賞を逃す結果になったりする。“アカデミーあるある”の結果といえるでしょう」(映画ライターの平田裕介氏)。

 しかも「ラ・ラ・ランド」は、運営側の不手際により一度は作品賞の受賞を発表され、関係者が舞台上でぬか喜びする羽目にも見舞われた。もっとも、主演女優賞や監督賞といった祭典を象徴する華のある賞は総なめ状態で、「5000人以上ともいわれるアカデミー会員はリベラル派も多いが、全体的には年齢が高く保守的な面も否めない。しかし、今回は、最近の米国の情勢もかんがみ『ムーンライト』の作品賞を含め、政治的配慮とバランスを取ったのではないか」(映画ジャーナリストの大高宏雄氏)。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です